
「あと一回だけチャンスがあるとしたら、だれにボールをわたす?」そんな質問をされたら、2026年ワールドカップ決勝を見た子は、きっと大きな声でフェラン・トーレス(Ferran Torres)の名前を答えるでしょう。試合はスペイン対アルゼンチン。時計が106分を示したとき、フェランはゴール前に走りこみ、やってきたボールを迷わずシュートしました。次の瞬間、ボールはネットの中へ。スペインが1対0でリードし、そのまま世界一のトロフィーを手にしたのです。試合の最初からピッチに立っていたわけではない選手が、途中から登場して国中を大さわぎさせるゴールを決めるなんて、まるでサッカー漫画の最終回みたいですよね。このフェラン・トーレスの2026年ワールドカップステッカーぬりえでは、その特別な場面を子どもたちの色とアイデアで新しく作り直せます。
まずは、まだ色をぬらずに絵をじっくり見てみましょう。フェランのまわりには、どんな音が聞こえていそうでしょうか。観客が立ち上がる音、スパイクが芝生をける音、ボールが足に当たる音、ゴールネットが大きくゆれる音。こうした音を文字にして、絵のまわりに描いてみるのもおもしろい遊びです。「ドン」「シュッ」「バサッ」「ゴール」という文字を大きく入れると、一枚のぬりえがスポーツ漫画のように見えてきます。文字の形をまっすぐにする必要はありません。ゴールの声は、紙から飛び出しそうなくらい大きく描いてもいいのです。
フェランのユニフォームには、スペインを思わせる赤や黄色がよく似合います。赤いシャツに黄色のポイントを入れ、芝生を緑にすると、本物の試合に近い雰囲気になります。けれど、この紙の上では子どもがユニフォームデザイナーです。青いシャツに金色の星を散らしてもいいし、袖に炎や稲妻の模様を描いてもかまいません。夜だけ光る特別なユニフォームを想像して、黒や紫を使うのもかっこいいでしょう。靴を虹色にしたり、背番号のまわりに小さなボールを並べたりすれば、世界に一つしかないフェランが完成します。
ぬりえの始め方にも決まりはありません。顔から少しずつていねいに色を入れたい子もいれば、太いクレヨンでユニフォームを一気に赤くしたい子もいます。フェランより先にスタジアムを描きたくなる子もいるでしょう。観客席に家族や友だちを座らせたり、好きな動物を応援団にしたり、巨大な電光掲示板を作ったりできます。電光掲示板には「106」と書いて、そのまわりを金色で囲むと、決勝を動かした大切な時間がよく目立ちます。
この数字を使って、ちょっとした宝探しもできます。絵のどこかに小さな106を三つ隠し、完成したあとで家族に探してもらうのです。一つはユニフォームの模様の中、もう一つは観客が持つ旗の中、最後の一つはボールの近くに入れてみましょう。すぐに見つかる大きさでも、虫めがねが必要なくらい小さくても大丈夫です。ぬりえをしながら秘密を作ると、完成したあとにも遊べる一枚になります。
フェランには「エル・ティブロン」という有名なニックネームがあります。日本語にすると「サメ」です。いつまでも動き続け、ゴールにつながる場所を探す姿から、この力強いイメージが生まれました。サメと聞いたら、普通のスタジアムだけで終わらせるのはもったいありません。フェランが海の底でサッカーをする世界を描いてみましょう。芝生の代わりに海草がゆれ、白いラインの代わりに貝が並び、ゴールポストには色とりどりのサンゴがくっついています。
海の中のゴールキーパーは、八本の腕を持つタコです。全部の腕にキーパーグローブをつけたら、どこへシュートしても止められてしまいそうです。それでもサメのフェランは、タコが見ていない小さなすき間を見つけます。観客席では、赤と黄色のマフラーを巻いた魚たちが応援しています。タツノオトシゴが小さなラッパを吹き、カニが大事そうにトロフィーをはさんでいます。ゆっくり泳ぐカメは、ゴールが決まってからようやくセンターサークルに到着し、「えっ、もう入ったの?」という顔をしているかもしれません。
水中の背景を作るときは、上のほうを明るい水色にし、下へ進むほど濃い青にすると、海の深さが出ます。色鉛筆を重ねればやわらかな変化が作れますし、絵の具を使えば大きな海をのびのびと彩れます。クレヨンで太い波を描き、その上から水彩絵の具をぬる遊び方もあります。フェランの足もとに泡を描き、ボールを大きな透明の泡に入れると、水中での試合らしくなります。絵の外側まで波を広げてもかまいません。ステッカーの枠を飛び出して描くことで、物語の世界がどんどん大きくなります。
サメというニックネームには、楽しい絵のアイデアだけでなく、フェランが大切にしてきた気持ちも入っています。彼には、うまくいかない試合や厳しい言葉を受ける時期もありました。それでも練習を続け、自分をもう一度信じられるように準備してきました。2026年の決勝も、最初はベンチから試合を見ていました。けれど、ピッチに呼ばれたときには準備ができていました。そして106分に訪れた大きなチャンスを、ゴールへ変えたのです。
子どもたちにも、思ったとおりにならない日はあります。休み時間のシュートがゴールの横へ飛んでしまったり、あと一個で完成するブロックのタワーが倒れたり、かっこいいライオンを描いたつもりが、ふわふわのジャガイモみたいになったりします。そんなときは少しがっかりしても大丈夫です。ボールはもう一度けれますし、ブロックも積み直せます。ライオンには大きなたてがみを描き足せます。最初の挑戦がうまくいかなかったからといって、次の一回まで失敗すると決まったわけではありません。
色が線からはみ出したときも、紙を捨てなくて大丈夫です。フェランの足の後ろなら、速く走ったときにできるスピード線に変えられます。芝生についた赤い点は、優勝のお祝いで飛んできた紙吹雪になります。空を濃くぬりすぎたら、その上に白や黄色で星やスタジアムライトを描けます。途中でユニフォームの色を変えたくなったら、波や小さなサメ、ボールの模様を重ねて新しいデザインにしてしまいましょう。絵を描く時間は、失敗を数える時間ではなく、別のアイデアへ変身させる時間です。
フェランは一つの場所にじっと立っている選手ではありません。サイドから走り始めたと思ったら、いつの間にか中央へ入り、ディフェンダーの後ろからゴール前に現れます。その動きを、秘密の作戦ルートとして描いてみるのもおすすめです。ピッチの端から点線を引き、二人のディフェンダーの間を通り、コーンをよけ、最後はゴール前の大きな星へつなげます。星の中には106と書きましょう。そこが世界一を決めるシュートを放つ場所です。
この作戦ルートをゲームのマップにすることもできます。赤い星を取るとシュート力が上がり、青い星を取ると走るスピードが上がります。金色の星は、ゴールへ続く秘密の道を開きます。途中にはロボットのディフェンダー、ボールをはさもうとするカニ、どちらのチームなのか自分でも分かっていない恐竜を描いてみましょう。フェランが全部の障害をよけて最後の星へ着いたら、チャンピオンシュートが使えるというルールです。ルールを作るのも、ゴールまでの道を考えるのも子どもの仕事です。
一枚のぬりえを、四コマ漫画に広げる方法もあります。最初のコマには、ベンチから試合を見つめるフェランを描きます。次のコマでは、監督に呼ばれて立ち上がります。三つ目ではボールへ向かって走り、最後のコマでシュートがネットへ入ります。選手のセリフも自由です。ディフェンダーが「さっきまでここにいたのに!」と驚き、ゴールキーパーが「サメが来た!」と考えているかもしれません。観客席の犬は、うれしさのあまり持っていたポップコーンを全部飛ばしてしまいます。
ゴールのあとの場面も描きたくなったら、そのまま物語を続けましょう。スペインの選手たちがトロフィーを持ち上げ、赤と黄色の紙吹雪が空いっぱいに舞っています。チームが町へ帰るときは、サメの形をした特別なバスに乗っているかもしれません。前のライトは大きな目のようで、屋根には立派な背びれがついています。ワールドカップのトロフィーには専用の席が用意されています。大切なカップを、ランドセルのように床へ置いておくわけにはいきません。
パレードを見に来たのは人間だけではありません。サッカーのユニフォームを着た犬、太鼓をたたくロボット、旗をくわえた恐竜も道の両側に並んでいます。キリンが前に立って後ろの人のじゃまになっていたら、チーム専属のカメラマンという役にしてみましょう。長い首があれば、高い場所からパレード全体を撮影できます。少し変わったキャラクターでも、楽しい理由を考えれば物語の大切な仲間になります。
フェランは犬が好きなことでも知られ、助けを必要としている犬たちを支える活動にも関わってきました。そこで、ピッチの横に小さな犬を描いてみるのもいいでしょう。前足の間にボールを置き、赤と黄色のバンダナをつければ、スペインの応援団になります。ベンチで眠っていた子犬が、ゴールの大歓声で飛び起きる場面もかわいらしいですね。家にペットがいる子は、その子の毛の色や耳の形を思い出しながら描くと、ぬりえの中に自分の家族を参加させられます。
ペットがいない場合は、空想の犬ゴールキーパーを作れます。その犬はしっぽでシュートを止め、ナイスセーブをするたびにクッキーを一枚もらいます。名前や背番号、好きな食べ物も考えてみましょう。フェランと毎日いっしょに練習する親友にしてもいいし、決勝だけは相手チームになるライバルでもかまいません。小さな脇役から、新しい物語が始まることもあります。
同じぬりえを何枚か印刷すると、遊び方がさらに広がります。一枚目はスペイン代表に近い色で仕上げます。二枚目は海底で戦うサメ版にします。三枚目では決勝を月へ移し、観客に宇宙服を着せましょう。月ではボールが高く跳ねるので、一度けったら紙の上から飛び出してしまうかもしれません。四枚目は家族や友だちと一緒に完成させます。一人がフェランをぬり、一人がスタジアムを描き、もう一人が観客席におかしなキャラクターを並べます。
完成した作品を並べたとき、どれが一番上手かを決める必要はありません。芝生を紫にした理由や、どうしてペンギンが審判なのか、なぜトロフィーに羽が生えているのかを聞くほうがずっとおもしろいでしょう。子どもは、自分のアイデアについて話すことが大好きです。絵の中にある小さな線や色にも、描いた本人だけが知っている意味があるかもしれません。
フェラン・トーレスのステッカーを、大きなサッカーカードとして作ることもできます。上にはフェラン・トーレス(Ferran Torres)と書き、横にスペインの旗を描きます。その下には、子どもが考えた能力を入れましょう。スピードは98、シュートは100、ちょうどいい場所へ現れる力は500、サメパワーは数字では表せないほど大きいという設定でも楽しめます。これは公式ゲームの数字ではありません。このカードを作った子どもがルールを決めるので、どんな能力を加えてもいいのです。
厚い紙に貼れば、自分だけの2026年ワールドカップ選手アルバムへ入れられます。表紙を手作りし、ほかの選手を入れる場所も作っておきましょう。フェランのページには、決勝ゴールを表す金色の枠が似合います。選手ごとに背景の色や能力、短い物語を変えれば、お店では手に入らない特別なコレクションになります。
サッカーをテーマにした誕生日会でも、このぬりえは活躍します。テーブルに印刷した紙、クレヨン、色鉛筆、水性ペンを並べておけば、遊びやケーキの合間に楽しめます。完成した絵は持ち帰ってもいいですし、全部をつなげて大きなワールドカップ作品の壁にしてもすてきです。ある絵では海底で試合をし、別の絵では空からキャンディーが降り、もう一枚では恐竜だけの観客席が完成しているかもしれません。
学校では、スポーツ、国、チームワーク、想像力を扱う活動にも使えます。小さな子は選手の名前を書いたり、スペインの旗に色をぬったりできます。大きな子は決勝ゴールの記事を書き、スポーツ新聞の一面をデザインしたり、新しいスペイン代表のユニフォームを考えたりできます。クラス全員で別々の選手を担当すれば、教室の壁に大きな手作りステッカーアルバムを作れます。
絵が完成したら、引き出しへしまうだけではもったいありません。冷蔵庫に貼ったり、勉強机の近くへ飾ったり、サッカー専用ファイルに入れたりできます。厚紙に貼り、裏にメッセージを書けば、サッカーが好きな友だちや家族へのプレゼントにもなります。「次のチャンスを信じよう」「わが家の小さなチャンピオンへ」と書けば、フェランの物語と贈る相手の気持ちがつながります。
本物のフェラン・トーレスは、106分にスペインを世界一へ導くゴールを決めました。けれど、紙の上の試合は、これから始まります。ユニフォームの色、スタジアムの場所、応援するキャラクター、ゴール後のお祝いまで、すべて子どもが決められます。フェラン・トーレス2026年ワールドカップステッカーぬりえを印刷し、好きな画材を並べたら、あの一発のシュートをもう一度スタートさせてみましょう。今度の106分は、子どもの想像力が作ったサッカー世界へ向かってボールが飛んでいきます。

